みどりの石拾いブログ

Yahoo!ブログ終了のため、引っ越してきました。東京に住むサラリーウーマンが、試行錯誤で糸魚川周辺(新潟県・富山県)のヒスイを探した成果についてや、その他の趣味など、備忘録がてら語るブログです。

静かなる時限爆弾

 新型コロナワクチンの医療従事者向け接種がはじまり、私は最前線でコロナ診療に当たっている医師や看護師ではないものの、それを支えるコメディカルや事務という事で希望で先行接種させてもらう機会をいただけた。

 

 ファイザー社のワクチンは二回接種するのだが、一回目はよく言われる副反応の頭痛や発熱もなく、接種部位が多少・・・いや、けっこう痛くて、左肩に接種したので左を下に横向きに寝られないくらいの痛みは2晩ほどあったけれど、そのくらいで済んだ。

 

 二回目は一回目接種から19日以上あけて、とのことだったので、初回接種の3週間後の4/19(月)に予約をした。

 ところが、その前の週の木曜日、4/15から、なんだか頭痛がする。頭の向きを変えると重い頭痛。そして軽い吐き気。

 たまたま4/15は確定申告のため有給をとってたので、税務署だけ出かけたけれど、その他は何もできず一日が終わった。

 翌日の4/16は出勤したが、頭痛はおさまらず、吐き気というか気持ち悪い。なんとか定時まで職場にいたものの、仕事に集中できなかった。

 土日もほぼ変わりなく、ヘンな頭痛と吐き気・だるさがあって、まるまる家にいて買いためていた食料を消費するのみ。

 

 そして、ワクチン当日の4/19(月)に出勤したが、相変わらず熱はないものの、頭痛はあったりなかったりを繰り返す。午後の接種予定だったが、午後にミーティングが入ったため、午前にワクチン会場へ行った。

 問診表の「具合悪いことがあるか?」的な質問欄に「頭痛」と書き、ワクチン担当の医師へ相談すると、4日前からの断続的な痛み、吐き気、基礎疾患の高血圧、脳梗塞の家族歴(母が2回脳梗塞になっている)、等々考えたら、ワクチンは緊急性が低いものだから、一度あたまのMRIを撮って、安心してからワクチンを打ったらどうか、と言われた。

 しかし、うちの職場の集団接種は翌日の火曜日までで、それを逃すと5月なかばまで接種できない。二回目接種をそんなに延ばしても良いものか質問したら、抗体はどんどん減っていくので、また一回目から打ちなおしになる可能性を示唆された。

 一回目打ったあとにけっこう肩の痛みがあったので、あれをあと2回もやるのはイヤだなあ、と思ったし、 それに、頭痛でMRI撮るなんて大げさかなあ、と思ったけど、昨年秋の人間ドックで聴力検査がひっかかり、先日耳鼻科に行ったら「今すぐでないけどあたまのMRI撮った方がいいかもね」と言われたこともあったから、脳ドックは高額だけど症状があるなら保険適用なので、これもいい機会かなあ、なんて思い、すぐに脳MRIをやってくれそうなクリニックを探した。

 さすがに当日の予約はとれなかったけど、翌日午前11時半の予約がとれたので、翌4/20に午前休をとって頭痛専門外来のクリニックへ行ってみた。

 ひととおりの診察のあと、頭部MRIを撮った。噂通りゴンゴン音がうるさかったものの、我慢できないほどではない。20分ほどゴンゴン音がしているのを我慢していたら、検査はおわった。

 診断結果を聞きに診察室に行くと、頭痛の原因となりそうな脳梗塞脳出血はみられない。首のレントゲンも痛みの原因となるような異常はなく、強いて言えば肩こりしそうな姿勢だと指摘されたくらい。

 結果、肩こりからくる緊張性頭痛という診断だった。

 が・・・問題は、「内頚動脈に脳動脈瘤がありました」と言われたこと。

「それほど大きいものではありませんが、詳しいことは脳外科の先生に診てもらってください。大きい病院へ紹介状を書きますので。」ということで、自分の職場に紹介状を書いてもらった。

 午後に職場に戻り、頭痛もだいぶおさまっていたので、とりあえず新型コロナワクチンの二回目は無事に接種した。

 

 脳動脈瘤を自分でいろいろ調べてみると、「未破裂脳動脈瘤」のこの大きさは小さいことは小さいけれど、できている場所や形状によってはリスクがあるかもしれない、ということがわかった。

 未破裂脳動脈瘤というのは、簡単に言うと脳の血管壁の薄いところが伸びて血がたまったコブができていて、万が一それが破裂すると「くも膜下出血」という、死に至る可能性の極めて高い病気となる。もし生還しても、後遺症が残る可能性が高い。

 

 破裂しない限りはまったくの無症状だし、破裂のリスクとなる

①喫煙 ⇒生まれてこの方吸ったことがない。

②飲酒 ⇒週末に飲むだけで量もそれほど多くはない。

③高血圧 ⇒軽い高血圧はあるけれど、今のところ薬でコントロールできていて、上は120前後、下は時々90超える時があるくらい。

 

 とすると、今できる対策はあまりなく、あとは、GW明けに予約したから、専門医の診断をあおいで、手術等で破裂を予防するのか、このままで経過観察にするのか、選択することになるはず。

 

 もし手術となっても、今の職場に転職してから入っている保険で入院日額2万円、手術の場合開頭手術で日額2万×40、開頭無しでも日額2万×20は出るようなので、なんとか高額の出費にならずに済みそうで、その点は安心できた。

 私は親へはたまに仕送りしているくらいだから金銭的に親を頼れはしないし、配偶者もいないから家計はすべて自分でまかなっているため、誰かに頼ることはできない。こうなってわかる保険のありがたみ。ほんと、入っていてよかった。

 

 今の今、今日明日にすぐ破裂するリスクはまあないのだろう、そう思いたいけれど、怖いのは確か。

 突然倒れて死ぬリスクを考えたら、今のうちいろんなことを整理しておいた方が良いのかも、などと考えを巡らせてしまった。持ち物整理、遺書、臓器提供についての意思表示などなど。

 

 そんな事を考えながら2週間経ち、5/6に私の職場の病院での診察をむかえ、専門医に診てもらい、結局、高リスクではないとの見立てで、半年後にMRIを撮って再診、高血圧だけコントロールしていればいいと言ってもらえた。もちろん、破裂する可能性がゼロ、というわけではないけれど、かなり確率は低いと。

 

 脳動脈瘤が見つかってから、この診断結果が出るまで、「たぶんそんなにリスクないはず」と思っていても、破裂するかもしれない不安と、手術になるかもしれない怖さで、やっぱりずっと不安がつきまとっていた。

 

 脳動脈瘤は、おおよそ30人に一人にあるらしいし、生活習慣等が問題があってできるなどの理由も今のところ判明していないから、予防のしようがない。(脳動脈瘤が破裂しやすいリスクはわかっています。喫煙・大量飲酒・高血圧)

 

 今後も血圧のコントロールは必要だけれど、ともかく安心できて良かったと思ったし、なんだか死ぬかもしれない病気だと言われたことで悩んだりした結果、いろいろなことがふっきれた気がした。

 私は自分でやれることを精一杯やって生きてきたし、子供たちも成人している。万が一のことがもしあったなら、笑ってこの世からおさらばしたって良いじゃないか、と思える。心からそう思える人生だと胸をはって言える。